2015年9月のある日

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おはようございます、1周年を迎える【ペットメモリアルRinne】の浅香です。今朝も秋の気配を感じながらすばる(うちの柴犬)の朝散歩に行ってきました。

私は今は犬と共に朝夕の散歩をしていますが、すばるを迎える2016年より前はひとりで朝夕とウォーキングをしていました。

そんな2015年の9月のある朝、いつものように船渡町の調整された海沿いの堤防コースを歩いていたら、よく見かけるおじさんに『すみません、この辺りの住所ってわかりますか?』と聞かれました。

このおじさんも、いつもこの辺りを歩いている方で、時折りすれ違いざまに挨拶をする程度の方なんですが、『今日はどうされたのかなぁ?』と思いながら『あ〜ゴメンなさい、住所はわからないです。ただ《船渡町》だというのはわかりますが』と答えると、『そうですか、困ったなぁ…』と言いながら携帯電話を耳に当て『すいません、今通った方に聞いたんですけど、この方もわからないそうです』と話しました。

???と思いながら『どうされたんですか?』と聞くと、堤防のアルミの柵を指差して『ちょっとこんな状態なんで、今警察に電話したらここの住所を聞かれて』と。

指先の方向を見ると、柵にロープがかかっていて、そこに人がいるようです。その横で小型犬を連れたおばあちゃんが、『わし、犬の散歩に来たら、急に犬がワンワン鳴くもんでねぇ、なんだかしらと思って見たらこれだもの』と。『ほいで、ちょうど歩いて来たこの人(電話をしていたおじさん)に《あんた、電話持っとる?…ちょっと警察にかけてくれんかん》って言っただよ』ということでした。

実は、よく見たら若い男性の《首吊り》の自殺体でした。

で、おじさんはまだ携帯電話で警察の方と話をしているようで、『はい、はい、あ〜でも…』となにやら困った様子でした。すると不意に『あの〜すいません、警察の人が《ロープを外してみてくれ》って言ってますけど』と私に振るんです。『ええ?私がですか?』と言うと、『《ロープを外して横にしてみて》だそうです』と。

マジっすかぁ?…私がやるの?

『で《心肺蘇生をしてみてくれ》って言ってますけど』と指示されました。いやいやいや、心肺蘇生って…そりゃあ私もインストラクターしてますから、心臓マッサージ・心肺蘇生法くらいは知ってますしやれますけど、でもねぇ、もう完全にお亡くなりになってますよ!

なので、『心肺蘇生しろって言われても、もうすでに《死後硬直》してますよ』と返すと、おじさんはその旨を警察に伝えました。

すると今度は『《身元がわかるものがないか?》って言ってますけど』と。ちょっと!ちょっとちょっと!…私は鑑識じゃないし、刑事じゃないから。そんなこと私が勝手にやっちゃってイイの?

でも、その堤防の柵の横に原付バイクが停めてありました。おそらく彼はこのバイクに乗って来たものとみられます。そして、カギは付いたままになっていました。なので、バイクのナンバープレートの番号を伝えました。…なんか《相棒》でも見ているかのような感じになりませんか?

『あっ、はい、わかりました』とおじさんは電話を切り、『今すぐ豊橋警察署の人が来るそうですから《ちょっとここにいてくれ》だそうです』と。ええ!私は関係ないでしょ。通りすがりの者ですよ。

そしてじきに警察が到着して、『第一発見者は誰?』とか聞きだしました。第一発見者はおばあちゃん。そして第二発見者が携帯電話で通報したおじさん。なんと私も巻き添いをくって第三発見者になってしまいました。まあ、そりゃあ3番目にこのご遺体を見た人というのはあってますけどね。

で、警察が色々と調べながら、『ロープが緩んでるっちゅうか、外してあるけど、誰か触った?』と。あのねぇー、あんたら(警察)が外せって言ったじゃん!と思い、『さっき通報していた時に対応した人が外せって言ったんで、私が外しましたけど』と、ことの経緯と心肺蘇生もしろと言われた伝えると、『あーそうですか、じゃあイイですけど』って。なんか私が勝手にやって、悪いことでもしたかのようにとられちゃいました。

そんなこんなで、いつもは30〜45分くらいの朝のウォーキングが、その日は1時間半くらいかかりました。

やっと解放されて自宅に戻る途中、急に涙が出てきて止まらなくなりました…。

私にも息子がいます。あのご遺体の彼は息子と同じくらいの年でした。

なんで自ら死なないといけなかったの?あなたにも親はいるでしょ?相談できなかったの?こんな選択しかできなかったの?残された人がどれだけ悲しむか…なんとも残念で、ぼろぼろ泣きながら帰りました。

あなたが生きているだけで幸せな人がいるんですよ。人生いろんな選択肢はありますから、命、大切にしましょう!

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